1983 年 16 巻 9 号 p. 1656-1665
臨床例100例においてIndocyanine Green (ICG) 血中消失様態を再検討した結果, ICG消失曲線の早期変曲を認め, 色素静注後3分, 5分, 7分の3点のICG血中濃度変化の解析により, 『ICG早期消失率』が求められることを示した.これに基づくICGRmax測定は, Michaelis-Mentenの酵素反応速度論における『反応の初速』および『基質の初期濃度』の双方を, より的確に把握したものということが出来, その臨床的有用性を確認することができた.また, ICG早期消失率算出時に得る零時ICG血中濃度を基質の初期濃度とする改変ICGRmaxの試算をも行い, “ICGRmax”一日測定法の新しい可能性についても論じた.