抄録
Tetrahymena Pyriformis GLの17sと25sRNAをコードするrDNAをHind Ⅲで制限分解し, 2.5×106 dalton のDNA断片(fragment 1)を大腸菌プラスミドpBR322のHindⅢ部位に組み換えた. アンピシリン耐性でテトラサイクリン感受性の11個のクローンのうち2個のクローンが, 32P-ラベルのrRNAとコロニーハイブリダイゼーションに陽性で, それらをpTpr2, pTpr4と命名した. これらのクローンから塩化セシューム‐臭化エチヂューム超遠心法でプラスミドを精製し, 数種類の制限酸素による解析を行った. HindⅢ分解したこれらプラスミドはアガロース電気泳動で, 同じ程度の吸収をもつ2本のバンドになり, それぞれfragment1および線状化したpBR322と同じ移動度を示した. プラスミドのBamHIとPstI分解によってfragment1はpTpr2とpTpr4で互いに逆向きに組み込まれていることが明らかになった. またプラスミドの電子顕微鏡観察によってpTpr2, pTpr4ともにその多量体が見出され, それはEcoRI分解による解析から単量体が直列に繰り返し並んでいる構造であった. pTpr2とrRNAとのR-loop形成によってrRNA遺伝子は予測通りの方式でプラスミドに組み込まれていることが証明された.