日本消化器外科学会雑誌
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消化器癌患者におけるnatural killer (NK) 活性に関する臨床的研究
前之原 茂穂高尾 尊身愛甲 孝野村 秀洋加治佐 隆西 満正
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1985 年 18 巻 8 号 p. 1824-1830

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抄録
胃癌を主とする消化器癌患者のnatural killer (NK) 活性を測定分析し以下の結果を得た.
1) 末梢血リンパ球NK活性は対照群に比べ消化器癌患者で有意 (p<0.001) の低下がみられた. 2) 胃癌患者のNK活性は組織学的進行度とともに低下した. 3) 脾摘例における脾細胞NK活性は胃癌群で門脈圧亢進症群に比べ低かった. 4) 末梢血リンパ球幼若化反応とNK活性とは相関しなかった. 5) 胃癌患者のNK活性は術後1週で低下し2週以降から回復する傾向があったがstage IVでは低値のままで進行度による差があった. 以上よりNK活性の経時的測定は癌患者の治療効果や予後の追跡判定に有用であると考える.
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