日本消化器外科学会雑誌
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高齢者胃十二指腸潰瘍
その特徴と手術成績について
竹林 正孝西土井 英昭前田 迪郎木村 修川角 博規牧野 正人貝原 信明古賀 成昌
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1986 年 19 巻 2 号 p. 127-132

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抄録
70歳以上の高齢者胃十二指腸潰瘍手術例50例 (胃潰瘍34例, 十二指腸潰瘍6例, 胃・十二指腸潰瘍10例) について, 若年者潰瘍365例と比較し高齢者潰瘍の特徴と手術成績を検討した.高齢者では, 若年者に比べ高位潰瘍が多く認められ, 病脳期間は短い傾向にあった.合併症としては46%に出血や穿孔がみられた.とくに出血例は17例 (34%) と高率であり, 壁在動脈の動脈硬化のため止血困難であることが多く, 手術時機をのがさないことが肝要である.われわれの慣用している広範囲胃切除術は, 手術成績からみて直接死・合併症死はなく, 術後状態も96%が満足しており, 高齢者においても比較的安全で満足に足る術式であると考える.
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