高カロリー輸液 (以下TPN) が上部小腸の形態・機能に及ぼす影響をみるために, イヌにTPNを3週間施行し, TPN前後で上部小腸粘膜の形態学的変化を光顕ならびに実体顕微鏡にて観察し, 3大栄養素の吸収能を灌流法にて検討した.さらにガストリン動態ならびにガストリンと絨毛高, 幅との相関も検討した.TPN後, 絨毛高の減少傾向, 幅の減少 (p<0.05), 腺管の萎縮, 絨毛数の増加傾向がみられ, 全体として粘膜の萎縮像を呈した.ガストリンはTPN後低下し (p<0.01), 絨毛幅との間に相関がみられた.糖質, アミノ酸の吸収能はTPN前後で著変はみられなかったが, 脂肪では低下傾向がみられた.
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