日本消化器外科学会雑誌
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門脈圧亢進症の病態と外科治療の適応
吉田 奎介
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1986 年 19 巻 3 号 p. 606-613

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抄録
目的: 肝予備能に基く食道静脈瘤治療指針を検討した.方法: Child分類に基き直達手術と内視鏡的硬化療法 (以下硬化療法) の成績を評価し, 手術例につき肝循環指標の予後との関連性を検討した.結果: 直達手術とくに経胸経腹的食道離断術の止血効果は良好で累積5年出血率2.2%を示した.硬化療法後の累積3年出血率は41%と高率であったが, 肝予備能不良例 (Child C群) の生存率では累積3年生存率39%と直達手術の26%を上回った.肝予備能評価上ICGの血漿消失率と肝除去率は有用であった.結論: 延命効果の面から肝予備不良例には硬化療法, Child AおよびB群では直達手術を優先すべきである.
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