日本消化器外科学会雑誌
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膵全摘後におけるinsulin抗体出現の意義
石川 治大東 弘明佐々木 洋今岡 真義亀山 雅男甲 利幸福田 一郎古河 洋小山 博記岩永 剛笹隈 富治子置塩 達郎
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1986 年 19 巻 4 号 p. 757-763

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抄録
膵全摘後7例の患者に対して総および遊離insulin値をPolyethylene glycol法にて経時的に測定し, その差をinsulin抗体量の指標として血糖値の変動との相関を検討した.その結果5例は抗体量の著明な増加とともに過血糖を, うち4例には低血糖をも頻発するようになった.うち2例はinsulin製剤の変更とともに抗体量は低下し血糖controlは安定化した.抗体はすべてIgG globulinであった.insulin負荷テストにおいて, 抗体存在下では遊離insulinの半減期は遅延しており, これが過・低血糖の頻発した一因と考えられた.また一旦発生した低血糖に対して, 血糖上昇作用を有するホルモンの反応は不良で, これが低血糖からの回復能に乏しい理由と考えられた.
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