日本消化器外科学会雑誌
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Stage IV胃癌症例の手術と併用補助療法の効果
小澤 正則杉山 譲羽田 隆吉三上 泰徳小野 慶一
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1987 年 20 巻 11 号 p. 2521-2526

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抄録
StageIV胃癌486例の検討において, 胃癌病巣切除例の50%生存期間は246~247日, 1年生存率は35, 5~37.0%で, 非切除の101~102日, 0.7~10.0%より有意に高い値を示した. また手術に併用した補助療法のうち化学療法には有用性が示されたが, 遺残癌病巣内OK-432大量局注および肝転移巣への動注療法では有意の延命効果がなかった. また非切除姑息術式中で空置的胃腸吻合は最も良好であったが, 50%生存期間は153日, 1年生存率もたかだか20.0%の成績に留まった. 以上よりStage IVという高度に進行した胃癌では積極的胃癌病巣切除が大切で, しかる後化学療法の併用によりさらに延命が期待できるものと判断された.
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