日本消化器外科学会雑誌
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十二指腸潰瘍穿孔の背景因子についての検討
上西 紀夫大原 毅定月 英一金子 正二佐野 広美藤間 利之城島 嘉昭浅倉 禮治荒木 駿二
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1987 年 20 巻 9 号 p. 2108-2115

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抄録

過去25年間に経験した十二指腸潰瘍穿孔92例の背景因子について年齢の面を中心に検討を行った, その結果, 平均年齢は過去20年間に約10歳高くなって来ていた.穿孔発症の季節や時間, 穿孔前の潰瘍歴の有無に関しては, 若年者と中・高年者とで異なる傾向が認められた.手術術式に関しては, 広範囲胃切除術が主に行われていたが (80/92, 87%), 穿孔部閉鎖術の10例中7例は潰瘍歴の無い急性例で, 穿孔より手術までの時間が経過している中・高年者の症例に行われていた.また, 死亡例5例はいずれも重篤な併存疾患を有する中.高年者であった.したがって, 十二指腸潰瘍穿孔は年齢によって差のある可能性が示唆され, それに応じた予防と治療が重要と考えられた.

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