日本消化器外科学会雑誌
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原発性十二指腸癌10例の検討
樋口 隆一江里口 直文吉田 浩晃溝口 博保鍬先 清一郎横倉 義武岡部 正之中山 和道古賀 道弘
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1987 年 20 巻 9 号 p. 2116-2121

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抄録

過去10年間に経験した原発性十二指腸癌10例について検討した.平均年齢65.7歳でやや女性に多かった.発生部位では乳頭上部癌が10例中8例と圧倒的に多かった.臨床症状では便潜血反応陽性を含む出血による症状がとくに留意すべき所見と思われた.存在診断, 質的診断は, 胃十二指腸造影, 十二指腸内視鏡生検で可能であるが, 他臓器原発の癌との鑑別, 浸潤範囲, 転移の有無, 手術適応の決定などには, CT, 超音波検査, 血管造影が有効であった.自験例は全例進行癌であり, リンパ節転移率は高く, 膵浸潤も高頻度にみられた.手術法は, 系統的リンパ節郭清を伴う膵頭十二指腸切除術を原則とすべきと考えられる.

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