日本消化器外科学会雑誌
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大腸癌の原発巣の部位と肝転移様式の検討
とくに肝切除の意義について
福田 一郎亀山 雅男大東 弘明平塚 正弘佐々木 洋甲 利幸石川 治古河 洋今岡 真義小山 博記岩永 剛
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1988 年 21 巻 1 号 p. 71-74

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抄録
大腸癌手術516例中, 肝転移を認めた90例の原発巣の部位と肝転移巣の部位的関係, さらに肝転移にて肝切除を施行した17例の原発巣の部位と残肝再発部位を調べ, 肝切除の意義について検討した.原発巣が右側結腸のものは肝転移巣は肝右葉 (外科的右葉) に限局することが多く (19例中10例: 53%), 肝切除後も残肝再発は少なく (7例中3例: 43%), 肝切除は根治的な意味をもつが, 左側結腸・直腸のものは肝両葉に転移しやすく (71例中40例: 56%), 肝切除後も残肝再発が多く (10例中7例: 70%) みられるために残肝再発に対する対策が必要と考えられた.
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