日本消化器外科学会雑誌
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大腸粘液癌の臨床病理学的検討
弥政 晋輔廣田 映五板橋 正幸北條 慶一森谷 宜皓沢田 俊夫
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キーワード: 大腸粘液癌, 大腸癌予後
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1988 年 21 巻 1 号 p. 75-81

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抄録
大腸粘液癌症例116例の臨床病理学的検討を行った.発生頻度は6.9%であり非粘液癌症例よりも若年発症であり (p<0.01), 右側結腸における発生率が高い (p<0.025).またリンパ節転移, 壁深達度ともに進行した症例が多く, 腹膜播種陽性率も高いため治癒切除率は有意に低く (p<0.05), 治癒切除例においても局所再発を中心とした再発率が高く, 非粘液癌と比べて5生率は有意に低い (p<0.001).また粘液癌を腫瘍細胞型により分化型と印環型に亜分類して比較検討すると, 印環型はより強く粘液癌の特徴を有していた.したがって生検で印環細胞が陽性であったり少しでも粘液癌が疑われる場合は広範なリンパ節郭清と主病巣の広範囲切除が必要と思われた.
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