抄録
急性膵炎に併発する敗血症の病態を明らかにする目的で, 23例の出血壊死型膵炎症例を敗血症併発群 (n=11), 敗血症を併発しなかった群 (n=12) の2群に分け, 生化学的パラメーター, 細菌学的検索を中心に検討した.敗血症併発群は入院後10~15日目以降, 多臓器障害が顕著となり, 敗血症を併発しなかった群にくらべ死亡率も有意に高かった.敗血症の併発を予測する因子としては, 入院時の重症度が高いこと, また, α2-MG, α2/α1 ratioの著明な低下などの指標が有用である可能性が示唆された.敗血症の感染巣は膵および膵周囲の壊死組織であり, これらの徹底的な除去が重要であると考えられた.