日本消化器外科学会雑誌
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生化学的パラメーターよりみた急性膵炎に併発する敗血症の予知と対策
武田 和憲松野 正紀宮川 菊雄伊藤 契角川 陽一郎佐藤 寿雄
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1988 年 21 巻 1 号 p. 65-70

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抄録
急性膵炎に併発する敗血症の病態を明らかにする目的で, 23例の出血壊死型膵炎症例を敗血症併発群 (n=11), 敗血症を併発しなかった群 (n=12) の2群に分け, 生化学的パラメーター, 細菌学的検索を中心に検討した.敗血症併発群は入院後10~15日目以降, 多臓器障害が顕著となり, 敗血症を併発しなかった群にくらべ死亡率も有意に高かった.敗血症の併発を予測する因子としては, 入院時の重症度が高いこと, また, α2-MG, α21 ratioの著明な低下などの指標が有用である可能性が示唆された.敗血症の感染巣は膵および膵周囲の壊死組織であり, これらの徹底的な除去が重要であると考えられた.
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