日本消化器外科学会雑誌
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胃癌の漿膜因子と予後-ssγ, se治癒切除例における癌の広がりが予後に及ぼす影響
平野 達雄三浦 敏夫草野 裕幸高平 良二遠近 裕宣三根 義和梶原 啓司宮下 光世横田 美登志渡部 誠一郎石川 啓中越 亨清水 輝久下山 孝俊富田 正雄
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1989 年 22 巻 5 号 p. 1057-1061

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抄録

胃癌治癒切除例中, ssγ30例, se48例につき, 最深層における癌の広さ, 拡大様式, 癌量, 組織型を検討し, 予後に及ぼす影響を検討した. 5生率は, 最深層の癌の広さでは, ssγ 例で10mm未満が, 10mm以上に比べて, 有意に良好であったが, se例では有意差はなかった. 癌の最深部層での癌量では, ssγ 例で癌少量のものは中等量に比べ予後良好であったが, se例では有意差はなかった. 漿膜下層での癌の拡大様式は, 「山型」はなく, 「箱型」と「谷型」との5生率には有意差はなかった. 最深部組織型で, 分化型と未分化型の5生率に有意差を認めなかった. したがって, ssγ で10mm未満, 癌量が少量のもののみ予後良好であった.

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