日本消化器外科学会雑誌
Online ISSN : 1348-9372
Print ISSN : 0386-9768
ISSN-L : 0386-9768
同時性肝転移を有する胃癌の治療
山村 義孝紀藤 毅中里 博昭
著者情報
ジャーナル フリー

1989 年 22 巻 5 号 p. 1067-1071

詳細
抄録

H189例 (うち胃切除41例), H272例 (同15例), H365例 (同14例) の胃癌肝転移226例について, 術後生存率からみた各種治療法の有効性を検討した. H1, H2では, 他のStage IV因子合併の有無にかかわらず, 胃切除例の方が非切除例よりも生存期間が長く, H1では胃切除R2群21例の5生率は14.3%, R1群15例は6.7%であり, R0群5例と胃切除 (-) 群48例に5生例はなかった. 胃切除例中肝転移合併摘除が8例あり, 2例の5生例を得た. H1胃切除41例中化療 (-) 群11例には5生例がなく, 5生率は全身化療群17例が11.8%, 肝動注併用群13例が16.7%であった. H14例とH21例に5年生存を得, 肝転移の組織学的確認と積極的な治療姿勢の重要性を強調した.

著者関連情報

この記事はクリエイティブ・コモンズ [表示 - 非営利 4.0 国際]ライセンスの下に提供されています。
https://creativecommons.org/licenses/by-nc/4.0/deed.ja
前の記事 次の記事
feedback
Top