日本消化器外科学会雑誌
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ラット90%肝切除後の残存肝におよぼす内因性エンドトキシンの影響に関する実験的研究
川崎 康彦宮良 球一郎伊佐 勉本馬 周淳武藤 良弘戸田 隆義
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1989 年 22 巻 7 号 p. 1778-1782

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抄録
90%肝切除後の残存肝におよぼす内因性エンドトキシンの影響を検討するために, ラットを用い硫酸ポリミキシンB投与群と非投与群に分け肝切除を行った. 1週以上生存率は, 投与群は90%であったが, 非投与群は71.4%であった. 血中エンドトキシン量は肝切除1日後が最高で, 投与群は16.0±3.3pg/ml, 非投与群30.8±8.9pg/ml (p<0.05) であった. 動脈血中ケトン体比は, 肝切除3日後に投与群0.43±0.06, 非投与群0.29±0.09 (p<0.05) であった. 残存肝では組織学的に, 3日目に小葉中心性凝固壊死を多数みとめ, 非投与群に著明であった. この成績より, 内因性エンドトキシンによる残存肝障害が示唆された.
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