国内でのマツタケの生産量が近年急激に減少し、現在、マツタケは、日本で最も高価な林産物の一つとなっている。過去数十年にわたって様々な人々がマツタケの人工栽培に挑戦してきたが、未だ十分な成果は得られていない。一方、マツタケの自然繁殖力を高めるマツ林管理の方法を確立して、マツタケ生産量を増やそうとする努力もなされてきたが、未だ満足する成果は得られていない。 私達は、マツタケ生産に有効な方法を考案する上で、なによりもまず、自然におけるマツタケの繁殖機構をより深く理解することが不可欠だと考え、マツタケが発生するアカマツ林におけるマツタケ個体群の遺伝解析を行った。