日本消化器外科学会雑誌
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イレウス症状を呈した原発性小腸癌の2例
小出 圭加藤 良隆清光 六郎三浦 義夫岡本 太郎則行 敏生岩本 俊之
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1990 年 23 巻 12 号 p. 2828-2832

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抄録

原発性小腸癌は, 比較的まれな疾患であるが, われわれは最近2手術症例を経験したので報告する.症例1は59歳男性, イレウス症状で発症, CAI9-9の高値および, 小腸造影でTreitz靱帯より10cm肛側で全周性の狭窄を認めた.腫瘍は同部の空腸にあり, 空腸および回腸の腸間膜付着部側に動脈血行性転移と思われる小病巣を多発性に認めた.原発巣を含む空腸部分切除を行いえた.術後1年5か月で死亡した.症例2は53歳女性.約6か月間心窩部痛, 悪心, 嘔気が続き, イレウス症状が出現, 小腸造影で空腸末端付近での閉塞を認めた.腫瘍はTreitz靱帯より130cm肛側の空腸にあり, napkinringconstrictionを認め, 腹膜播種もあった.空腸部分切除を行った.術後1年11か月で死亡した.

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