日本消化器外科学会雑誌
Online ISSN : 1348-9372
Print ISSN : 0386-9768
ISSN-L : 0386-9768
Crohn病手術症例9例の経験
長谷川 順一大口 善郎荻野 信夫福田 宏嗣松宮 護郎中場 寛行奥村 賢三越智 昭博大下 征夫小林 春秋男高尾 哲人
著者情報
ジャーナル フリー

1990 年 23 巻 12 号 p. 2823-2827

詳細
抄録
当院で経験したCrohn病手術症例9例の成績について検討した.初回手術例の手術理由は急性穿孔4例, 膿瘍形成1例, 狭窄3例, 出血1例であった.手術術式は全例主病変から10cm以内を切除断端とする小範囲腸切除を行った.術後症状再発は直死例1例を除く8例中4例に認められ, 1例には2度の再手術を行った.本症例に対しては再手術の際short bowel syndromeを避けるため小腸の狭窄性病変に対してstrictureplastyを行ったが, 後日同部に再発を認め, 再々手術の際, 切除を余儀なくされた.現在生存中の6例は術後観察期間が1年5か月~15年7か月と短いが全例就労可能となっている.
Crohn病に対する手術は合併症に対する治療法であることを念頭において過度の侵襲を加えない術式を選択すべきである.
著者関連情報

この記事はクリエイティブ・コモンズ [表示 - 非営利 4.0 国際]ライセンスの下に提供されています。
https://creativecommons.org/licenses/by-nc/4.0/deed.ja
前の記事 次の記事
feedback
Top