日本消化器外科学会雑誌
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肝focal nodular hyperplasiaの1切除例
大塚 眞哉渡辺 良平舟木 真人柚木 茂西原 幸一大森 克介北本 忠宮田 信熈大朏 祐治
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1992 年 25 巻 5 号 p. 1282-1286

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抄録
肝臓の腫瘍類似病変の1つである, focal nodular hyperplasia (FNH) の1切除例を経験したので報告する. 症例は24歳女性, 腹部超音波検査にて肝内腫瘤を指摘された. Ultrasonographyにて肝外側区域にhypoechoic lesionを認め, dynamic computed tomographyでは動脈相で高濃度域, 門脈相で低濃度域として認められた. 肝動脈造影にて腫瘤中心部より放射状に走る異常血管像を伴うhypervascular areaが認められた. 以上よりFNHを疑うもHCCも否定しきれず動注療法後, 肝左葉切除術を施行した. 術後の病理組織検査では, 治療による修飾も加味してFNHと最終診断した. FNHは比較的まれな疾患とされていたが, 最近は報告例も増えてきている. 最近の本邦報告30例を集計し, 特にその術前診断を中心に文献的考察を加えて検討した.
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