日本消化器外科学会雑誌
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リンパ節転移からみた早期胃癌の縮小手術-特に迷走神経温存, 幽門保存手術-の適応について
今田 敏夫竹鼻 敏孝利野 靖鈴木 誠高橋 誠陳 超野口 芳一山本 裕司天野 富薫松本 昭彦小林 理西連寺 意勲本橋 久彦
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1995 年 28 巻 12 号 p. 2248-2255

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抄録

早期胃癌に対する迷走神経温存, 幽門保存胃切除術の適応を明らかにするため, A, M領域の早期癌切除症例583例のリンパ節転移状況, および本術式は通常のD2郭清から右噴門リンパ節 (No.1) と幽門上リンパ節 (No.5) 郭清を省略するためにこれらの部位への転移状況を検討した.リンパ節転移率はm癌1.9%, sm癌17.8% (sm1: 12.5%, sm2: 20.3%) であった.No.1への転移例は9例 (A: 3例, M: 6例).No.5への転移例は4例 (A: 1例, M: 3例) にみられ, これを組織型, 肉眼型, 腫瘍径, 深達度からみたリンパ節転移状況にあてはめたところ, 分化型ではすべてのm癌と30mm未満のsm癌が, 未分化型では隆起, 混合型は症例が少なく現段階では適応から除外し, 陥凹型は30mm未満のm癌と10mm未満のsm癌 (sm1癌は30mm未満) がわれわれの迷走神経温存, 幽門保存胃切除術の適応症例と考えられた.

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