日本消化器外科学会雑誌
Online ISSN : 1348-9372
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早期胃癌術後のquality of life
D1郭清例とD2郭清例の比較検討
藤岡 嗣朗沢井 清司大原 都桂湊 博史矢田 裕一谷口 弘毅萩原 明於山口 俊晴高橋 俊雄
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1995 年 28 巻 12 号 p. 2242-2247

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抄録

早期胃癌に対する縮小手術のひとつであるD1郭清手術 (69例) と, 標準手術であるD, 郭清手術 (179例) の安全性と遠隔時のquality of life (QOL) を比較した.術前併存疾患の有症率は, D1郭清群75.3%, D2郭清群53.0%とD1郭清群のほうが有意に (p<0.001) 多かった.手術時間は, D1郭清群176分, D2郭清群211分と有意に (p<0.001) D1郭清群のほうが短かった.術中出血量はD1郭清群379g, D2郭清群462gと有意差は認めなかった.縫合不全, イレウスなど手術に直接関係した術後合併症は, D1郭清群では全く認められなかった.遠隔時QOLのでは, Performance status, 早期ダンピング症状の発生率は差を認めなかった.遠隔時のQOLを総合評価するために筆者らが考案した胃癌術後QOL評価法で比較しても差は認めなかった.したがって, 早期胃癌に対するD1郭清手術は手術の安全性は向上するが, 術後のQOL向上には必ずしも役立たないと考えられた.

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