日本消化器外科学会雑誌
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術前診断が困難であった食道の巨大なfibrovascular polypの1切除例
竹内 雅春豊坂 昭弘中井 謙之土生 秀作中村 清昭黒田 暢一桑原 幹雄福田 康文岡本 英三
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1995 年 28 巻 12 号 p. 2265-2269

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抄録

症例43歳の男性.主訴は嚥下困難.画像診断では頸部食道から胸部下部食道にわたる径15cmの巨大な食道内に発育する隆起性腫瘍で, 生検では悪性所見は得られなかった.しかし, 内視鏡上, 腫瘤粘膜上に潰瘍形成をみることから, 食道癌肉腫と診断し食道癌に準じた手術を施行した.切除標本では, 頸部食道から発生した巨大な有茎性ポリーブで組織学的には良性のfibrovascular polypであった.食道の良性腫瘍は比較的まれだが, 中でも本疾患の報告例は, 世界で70例程度であり, 本邦でも26例にすぎない.また, 10cm以上の巨大ポリープに限れば, 本症例を含めて3例であった.このようにまれな疾患ではあるが, 正確な術前診断をしえなかったため, 多大なる侵襲を加えたことに反省を込めて報告する.

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