日本消化器外科学会雑誌
Online ISSN : 1348-9372
Print ISSN : 0386-9768
ISSN-L : 0386-9768
原発性肝平滑筋肉腫の1例
寒原 芳浩石川 羊男和田 哲成前川 陽子脇田 和幸河村 貴佐古田 洋子河野 範男中谷 正史
著者情報
ジャーナル フリー

1995 年 28 巻 12 号 p. 2270-2274

詳細
抄録

症例は65歳の男性.健診時の腹部超音波検査で肝腫瘍を指摘された.肝炎ウイルス陰性で腫瘍マーカーは正常であった.超音波検査で肝S4S5に径5.5×4.2cmの境界明瞭な腫瘤を認めた.CTscanおよび肝血管造影で肉腫様肝細胞癌, 肝肉腫, 転移性肝腫瘍などが疑われる肝悪性所見と診断し, 肝S4S5切除術を行った.組織学的には腫瘍は菲薄な被膜を有し圧排性に増生し, 核分裂像が散在性に認められ, 腫瘍は一部被膜を破り周囲の肝小葉に浸潤を認めた.免疫染色で平滑筋肉腫と診断した.術後, ガリウムシンチを含めた全身検索では異常を認めず, 原発性肝平滑筋肉腫と診断した.本症例を含めた本邦報告例36例について文献的に検討した.

著者関連情報

この記事はクリエイティブ・コモンズ [表示 - 非営利 4.0 国際]ライセンスの下に提供されています。
https://creativecommons.org/licenses/by-nc/4.0/deed.ja
前の記事 次の記事
feedback
Top