日本消化器外科学会雑誌
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結腸癌腹壁創瘢痕再発の1切除例
安村 幹央平井 孝加藤 知行鳥井 彰人小寺 泰弘清水 泰博安井 健三森本 剛史山村 義孝紀藤 毅
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1997 年 30 巻 5 号 p. 1018-1022

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抄録
S状結腸癌根治術後1年7か月を経て腹壁創瘢痕に再発し, 再発腫瘤切除6年後の今なお無再発生存中の1例を経験したので報告する.症例は60歳の女性.S状結腸癌は2型, 6×4cm, SEP0H0M (-) D3, se, ly0, v0, n (-) であった.1年7か月後腹壁正中創臍部に再発した.他に転移は認めず, 腫瘍から約2cm離して, 腫瘍に癒着した小腸約10cmとともに腹壁を切除した.腹壁欠損部はマーレックスメッシュを用い補強した.腫瘍は原発結腸癌と同様の中分化腺癌であり, 転移再発と診断された.腹壁創瘢痕への転移再発形式は術中操作による腫瘍細胞の創へのimplantationと思われた.
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