日本消化器外科学会雑誌
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リンパ節転移を伴った十二指腸stromal tumorの1例
平田 静弘川本 雅彦中島 洋山崎 徹永渕 一光岸川 英樹米増 博俊
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1998 年 31 巻 10 号 p. 2085-2089

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抄録

今回, 我々はリンパ節転移を伴った十二指腸stromal tumorを経験した. 症例は45歳の女性. 主訴は貧血と倦怠感上部消化管内視鏡検査より, 十二指腸球後部に粘膜下腫瘍を指摘され, 生検の結果, 平滑筋腫もしくは肉腫が疑われ, 十二指腸の局所切除とリンパ節のサンプリングを行った. 免疫染色にて, Vimentin, α-smooth muscle actin, S-100蛋白に陽性に染まり, 筋原性と神経原性の両方への分化を有するstromal tumorと診断された. 原発巣は悪性の低い組織像であったが, サンプリングしたリンパ節に転移を認めたため, 術後3週目に幽門輪温存膵頭十二指腸切除術を施行し膵頭後部リンパ節に転移の残存を認めた. Stromal tumorはリンパ節転移がまれであり, 郭清を疑問視する意見もあるが, 症例によっては郭清が必要な場合があることを示唆する貴重な症例と考えられた.

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