抄録
1991-1996年の当科におけるStage IVb進行胃癌症例90例のうち24例にCDDP・UFT併用療法をneoadjuvant chemotherapy (以下, NACと略記) として施行し, 手術先行例66例と予後につき比較検討した.結果はCR 0例, PR 11例, NC 11例, PD 2例で奏効率は46%であった.NAC群のうちPR群とNC, PD群との間で生存期間に有意差を認めた.しかし, 手術先行群とNAC群全体, およびNAC群のPR群と手術先行群との間に有意差は認められなかった.
NACの適応は術前診断で原発巣摘出不可能と考えられる症例で, NACが奏効し切除可能となる場合にその適応と考えられた.