日本消化器外科学会雑誌
Online ISSN : 1348-9372
Print ISSN : 0386-9768
ISSN-L : 0386-9768
直腸原発gastrointestinal stromal tumorの5例
高橋 祐長谷川 洋小木曽 清二塩見 正哉籾山 正人伊神 剛太平 周作雨宮 剛
著者情報
ジャーナル フリー

1999 年 32 巻 12 号 p. 2694-2698

詳細
抄録

Gastrointestinal stromal tumor (GIST) は近年提唱された比較的新しい概念である. われわれは直腸原発GISTの1切除例を経験した. また, 過去10年間に当科で経験した直腸平滑筋肉腫4例に対し免疫染色を改めて施行し, すべてGISTであったという結果を得たので若干の文献的考察を加え報告する.
症例1は57歳の女性. 腹部膨満, 便秘, 排尿障害を主訴に受診し, 骨盤内腫瘍の診断で入院となった. 各種画像診断を施行後, 手術を施行した. 開腹にて腫瘍は直腸原発と判断し, 直腸切断術を施行した. 病理学的にはHE染色で紡錘状腫瘍細胞が索状に交錯し増殖していた. 各種免疫染色にてGIST, uncommitted type, malignantと診断した.
現在はGISTという概念が浸透し始めている時期であり, 今後更なる検討が必要な疾患であると思われた.

著者関連情報

この記事はクリエイティブ・コモンズ [表示 - 非営利 4.0 国際]ライセンスの下に提供されています。
https://creativecommons.org/licenses/by-nc/4.0/deed.ja
前の記事
feedback
Top