壊疽性胆嚢炎により発見され, 術後11か月めに皮膚転移をきたした胆嚢原発性小細胞癌の1例を経験したので報告する. 症例は75歳の女性で, 右上腹部痛を主訴として来院した. 急性胆嚢炎の診断にて経皮経肝胆嚢ドレナージを施行し, 全身状態の安定化後に胆嚢摘出術を施行した. 摘出標本では胆嚢底部に小指頭大の黄色調不整形の隆起性病変をほぼ全周性に認め, 病理組織学的に小細胞癌と診断された. 術後5か月めに肝転移を, 11か月めに皮膚転移を認めさらに16か月めに右腋窩の孤立性リンパ節転移を認めた. 皮膚転移の経路としては, 経皮経肝胆嚢ドレナージに伴うドレナージ経路からの直接的播種が最も考えられた.