日本消化器外科学会雑誌
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化学療法が奏効した十二指腸原発悪性リンパ腫の1例
土井 新也奥村 徹秋元 佳太郎三崎 三郎本郷 三郎中野 博重
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2000 年 33 巻 10 号 p. 1771-1774

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抄録

症例は64歳の男性. 上腹部痛を主訴に来院した. 内視鏡下生検の結果, 十二指腸原発の悪性リンパ腫と診断した. CHOP療法を2クール行ったが, 十二指腸狭窄による通過障害を認めたため, 膵頭十二指腸切除術を行った. 切除標本の病理組織所見では, リンパ腫成分を認めず, CHOP療法により完全寛解が得られていたことが判明した. 従来, 本症例のようなNaqviの臨床病期stage Iにあたる早期の消化管原発悪性リンパ腫には手術治療が第1選択とされ, 進行例には集学的治療が行われていた. しかし, 最近では本症例と同じく, 早期症例に対する化学療法有効例が報告されている. 長期予後については今後検討を要するが, 今回の治験から, 十二指腸悪性リンパ腫のstage I症例に対する化学療法は有効であると考えられた.

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