日本消化器外科学会雑誌
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粘液腫様変性を伴った孤立性胃粘膜下異所腺の1例
大城戸 政行加藤 雅人松浦 隆志一宮 仁中垣 充八尾 隆史
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2000 年 33 巻 11 号 p. 1802-1805

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抄録

胃の粘液腫様変性は極めてまれである. 今回, 粘膜下腫瘍の形態を呈し, 孤立性胃粘膜下異所腺に随伴した粘液腫様変性を経験したので報告する. 症例は54歳の男性. 上部消化管造影X線検査および胃内視鏡検査にて胃体上部後壁に表面に浅い陥凹を伴うなだらかな隆起性病変を認めた. 切除標本の肉眼所見で粘膜下層に境界明瞭なゼリー状の貯留を認めた. 病理組織学的検査では粘膜下層内に粘液腫様組織が存在しその周囲に不規則嚢状に拡張した胃腺窩上皮様の異所腺がみられた. 発生機序は不明であるが繰り返す粘膜の炎症性刺激の関与が示唆された. 類似症例の報告はなく病理学的に非常に興味ある症例と思われた. 隆起を呈する胃粘膜下異所腺は比較的まれであるが, 胃粘膜下腫瘍の診断に本症例のような特殊例も考慮すべきと考えられた.

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