日本消化器外科学会雑誌
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腸重積を伴った小腸転移性骨外性骨肉腫の1例
向坂 英樹村田 幸平亀山 雅男土岐 祐一郎大東 弘明平塚 正弘佐々木 洋石川 治真能 正幸今岡 真義
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2002 年 35 巻 8 号 p. 1428-1432

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抄録
症例は47歳の女性. 2年8か月前に左大腿部皮下軟部腫瘍にて広範切除術施行. 8か月前に同右肺転移にてS8部分切除施行. 今回貧血の精査中に腸重積を発症し手術. 回腸腫瘤を先進部とした横行結腸への重積で, 右半結腸切除を施行した. Bauhin弁より15cm口側に56×45×36mmの有茎性腫瘤を認めた. 病理所見では腫瘍性類骨形成が著明で骨肉腫と診断された. 左大腿部および右肺S8転移巣の病理像では類骨形成が認められなかったため, 当初MFHと診断されていたが, 三病巣の詳細な病理学的検討の結果, 大腿皮下原発の骨外性骨肉腫が肺と小腸に転移したものと結論された. 術後2か月から多臓器に腫瘍が再燃し4か月目に原病死した. 骨外性骨肉腫は成人に発生する予後不良な軟部悪性腫瘍である. 肺転移が多いが小腸転移の報告は極めてまれである. 検索した限りでは本例が6例目であり, 文献的考察を含めて報告した.
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