日本消化器外科学会雑誌
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大腸癌術後に発症した診断に拡散強調MRIが有用であった異時性原発性小腸腫瘍の2例
細沼 知則小川 匡市渡部 通章池上 雅博林 大地福田 国彦矢永 勝彦
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2007 年 40 巻 10 号 p. 1716-1721

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抄録
拡散強調画像(diffusion-weighted imaging; 以下, DWI)が大腸癌術後に発生した異時性原発性小腸癌の術前診断に有用であった2例を経験したので報告する. 症例1は38歳の女性で, 6年前に横行結腸癌のため横行結腸切除後であった. 全身倦怠感, 食思不振を主訴に来院した. 腹部CTで吻合部レベルに腸管壁の全周性肥厚を認め, 同部位はDWIで高信号を呈し吻合部の局所再発が疑われた. MRIの再読影でDWIで高信号を呈する腸管は横行結腸の腹側を走行しているのが確認され, 小腸癌と診断された. 症例2は71歳の女性で, 9年前に回盲部癌のため内視鏡的粘膜切除術後であった. 心窩部痛, 食思不振, 嘔吐を主訴に来院し, 腹部CTで上腸間膜動脈症候群と診断された. 保存療法を開始するも症状の改善を認めず, その後施行されたDWI で十二指腸水平脚部から空腸にかかる小腸癌と診断された.
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