日本消化器外科学会雑誌
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十二指腸第4部早期癌の1例
石崎 哲央高木 眞人尾形 高士安田 祥浩伊藤 一成園田 一郎鈴木 芳明寿美 哲生青木 達哉島津 元秀
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2008 年 41 巻 5 号 p. 516-520

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抄録

症例は72歳の女性で, 心窩部不快感のため近医にて上部消化管内視鏡検査を施行した. 十二指腸第4部に隆起性病変を認めたため当院を紹介された. 画像検査所見で遠隔転移やリンパ節腫大などは認めなかった. 腫瘍マーカーは正常だった. 生検結果はadenoma with moderate tosevere atypiaであったが, 長径40mmと大きく腺腫内癌を否定しえず, 手術を施行した. 術中リンパ節を迅速病理組織学的診断に提出して転移のないことを確認し十二指腸部分切除術を施行した. 病理組織学的診断は40×30mm, very well differentiated adenocarcinoma, T1 N0 M0stage Iであった. 原発性十二指腸第4部早期癌の報告は極めてまれであり, 文献的考察を加え報告した.

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