抄録
亜硫酸エアゾールを吸入した際の反応としてのマウスの呼吸数の変化を研究し,亜硫酸ガスの場合と比較した。重亜硫酸ソーダ又は重亜硫酸カリウムのエアゾールへの曝露に際しては,その反応パターンは亜硫酸ガスの反応パターンと極めて類似していた。重亜硫酸ソーダと重亜硫酸カリウムとの間には,呼吸数の最大減少度で測った刺激性について差がなかった。これに対して,亜硫酸ソーダ又は亜硫酸カリウムは,単に無作用であるばかりでなく,亜硫酸ガスの刺激性にも影響をあたえることはなかった。ある濃度の亜硫酸ガスによってその刺激に対する感受性を失ったマウスは,同じ濃度の重亜硫酸ソーダに対してはもはや反応を示さなかった。
亜硫酸ガス及びその塩類の刺激性は,鼻腔粘膜において生じた重亜硫酸イオンの還元性によるものであり,共存する陽イオンには関係がないと結論することができる。