抄録
口腔咽頭癌に対する化学放射線治療(CCRT)後の救済手術に関して周術期合併症を放射線治療(RT)後の救済手術とretrospectiveに比較検討した。2006年1月から2012年6月までに口腔咽頭癌原発でCCRT後に再建を要した救済手術18例とRT後に再建を要した救済手術41例を対象とした。皮弁は全例生着した。頸動脈破裂や周術期死など重篤な周術期合併症は認めなかった。RT群は全体で創部感染(SSI) 5例(12.2%),CCRT群はSSI 7例(38%)発症した。ドナー部感染を除いた頸部SSIはRT群 4例(9%),CCRT群4例(22%)であった。CCRT群のSSIは,半数はドナーに関係したSSIであり,統計学的有意差も認めた(P=0.04) ドナー合併症のみSSI発症率が上昇していたが,救済手術は一度合併症を併発すれば重篤になる可能性が潜在しており,再建外科医はその事を念頭において慎重に手術に望むべきである。