頭頸部癌
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頸部郭清術の新展開
化学放射線療法後の頸部郭清術
花井 信広小澤 泰次郎平川 仁鈴木 秀典福田 裕次郎小出 悠介別府 慎太郎西川 大輔中多 祐介木村 隆浩長谷川 泰久
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2014 年 40 巻 1 号 p. 23-27

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抄録

化学放射線療法(CRT)は咽喉頭癌における臓器温存治療の中心的役割を果たしている。その中で導入化学療法まで含めると頸部郭清術介入の時期は多岐にわたり,郭清範囲,適応判断を含めた頸部マネージメントの方法が多様化している。集学的治療の一環としての治療戦略という観点からCRT後の頸部郭清術について述べた。
現在の主流は早期救済頸部郭清術であり,CRTの効果に応じて頸部郭清介入の要否が判定される。このために真のリンパ節残存を見極めるためのリンパ節転移診断が重要となる。侵襲の低減,合併症の回避を目的として頸部郭清範囲は縮小の方向に向かっており,現在の標準と考えられているのは選択的頸部郭清術である。超選択的頸部郭清術はこれをさらに縮小しようという新しい概念である。また新たな治療戦略として先行頸部郭清術(up-front neck dissection)が再び注目されていることについても紹介した。

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© 2014 日本頭頸部癌学会
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