頭頸部癌
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口腔
造血幹細胞移植後に生じた口腔扁平上皮癌5例の臨床的検討
高木 雄基佐藤 春樹佐久間 英規野田 晴菜長縄 陵亮寺田 聡広大岩 伊知郎
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2014 年 40 巻 1 号 p. 43-50

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抄録

造血幹細胞移植(HSCT)後に発症した口腔癌5例についての検討を行った。5例の内訳は,男性3例,女性2例で,原疾患は,それぞれ低形成白血病,急性骨髄性白血病,濾胞性リンパ腫,急性リンパ性白血病,骨髄異形成症候群であった。いずれもドナーは同胞で,3例は骨髄移植,2例は末梢血幹細胞移植がなされていた。全例,原疾患の再発は認められなかった。HSCT後慢性口腔移植片対宿主病の発症を認めたのは3例であった。HSCTから口腔癌診断までの期間は3年5ヶ月から17年2ヶ月で,1例は口腔咽頭多発例であった。多発例を除き,根治手術を施行した。無病生存例は1例のみで,腫瘍死3例,他病死(呼吸不全)1例であった。
これら5例には,二次性口腔癌発癌および予後に関しての共通性は認めなかった。

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© 2014 日本頭頸部癌学会
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