頭頸部癌
Online ISSN : 1881-8382
Print ISSN : 1349-5747
ISSN-L : 1349-5747
上・中・下咽頭(頸部食道癌を含む)
先端可動型硬性内視鏡を用いた内視鏡下経口的咽喉頭手術の治療成績
渡邉 佳紀安里 亮辻 純神田 智子本多 啓吾辻村 隆司森 祐輔
著者情報
ジャーナル フリー

2014 年 40 巻 1 号 p. 56-65

詳細
抄録

咽喉頭領域の表在癌・早期癌に対し,内視鏡下での経口的手術が行われている。代表術式として内視鏡的咽喉頭手術(Endoscopic Laryngo-pharyngeal Surgery: ELPS)や経口的咽喉頭部分切除術(Transoral Videolaryngoscopic Surgery: TOVS)が挙げられ,安全性と有用性が報告されている。
われわれは,先端可動型硬性内視鏡を用いた新たな内視鏡下経口的咽喉頭手術を施行した。本術式は,細径の硬性内視鏡を用いる。原発巣に合わせ様々な咽喉頭鏡・開口器が選択できる点が特徴である。平成22年3月から平成24年12月までに喉頭・中下咽頭癌29例に施行。年齢45~86歳(平均65歳),男女比25:4,観察期間20~983日(中央値262日)。表在癌4例,浸潤癌24例,MALTリンパ腫1例。新鮮例24例,照射後再発3例,他院外切開切除後再発2例。根治治療を計画した28例中25例(89%)で一塊切除,26例(93%)で根治切除でき,TOVSと同等であった。
本術式は咽喉頭全域に渡り安全かつ拡大切除が可能で,低侵襲・経口的手術の選択肢となり得る。

著者関連情報
© 2014 日本頭頸部癌学会
前の記事 次の記事
feedback
Top