頭頸部癌
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頸部・甲状腺
骨転移を有する分化型甲状腺癌に対するI-131内用療法の治療成績
唐澤 克之二瓶 圭二田中 寛清水口 卓也羽生 菜穂子三橋 敏雄晝間 清留守 卓也渡部 涼子
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2014 年 40 巻 1 号 p. 93-97

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抄録

1995年~2009年の期間で当院にてI-131内用療法を施行した分化型甲状腺癌症例462例のうち,当科初診時に骨転移を有していた81例を対象とした。年齢は中央値63歳,男女比31:50,骨転移単独が52例,他臓器転移合併例が29例であった。瀘胞癌が56例,乳頭癌が14例,一回投与量の中央値は100mCiであった(50~200mCi)。64例(79%)に遠隔転移に有意な集積を認めた。I-131の集積がある症例の5年全生率(5生率)及び生存期間の中央値(MST)は各々59%,7.8年,ない症例の5生率及びMSTは各々28%,3.2年であった(p=0.0007)。集積がある症例の内,骨転移のみの症例の5生率は76%,他臓器転移合併例は17%であった(p<0.0001)。骨転移の個数が4個以下の症例と5個以上の症例では71%,38%であった(p=0.008)。サイログロブリン(Tg)値が10,000ng/ml未満と10,000ng/ml以上では74%,34%であった(p=0.001)。I-131内用療法により集積を認める骨転移症例の予後が良好であった。また他臓器転移のない症例,骨転移の個数が少ない症例,Tg値が低い症例の予後が夫々良好であった。

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© 2014 日本頭頸部癌学会
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