頭頸部癌
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頭頸部癌における治療前・後画像評価のポイント
頸部リンパ節転移の治療前画像診断のポイント・問題点
加藤 博基松尾 政之水田 啓介青木 光広久世 文也柴田 敏之牧田 浩樹加藤 恵三
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キーワード: 頭頸部癌, リンパ節転移, CT, MRI, PET
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2016 年 42 巻 3 号 p. 290-293

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抄録

頭頸部癌患者において,頸部リンパ節転移の有無は治療方針決定や予後予測に影響する重要な因子となる。頸部リンパ節転移の画像診断では超音波・CT・MRIによる形態診断が中心的な役割を果たし,形態診断ではリンパ節の大きさ,形状,内部性状,辺縁性状を評価する。大きさでは長径より短径を基準とした方が高い診断能を示すとされ,短径が上内深頸リンパ節で11mm,その他のリンパ節で10mm以上を腫大とする基準が一般的である。ただし,大きさだけの評価では十分な診断能が得られないため,リンパ門を意識した形状,中心壊死を意識した内部性状,被膜外浸潤を意識した辺縁性状を同時に評価することで診断能が上昇する。頸部リンパ節転移の治療前画像診断は造影CTを用いた形態診断が基本となるが,造影CTの弱点である低い感度を補うためには,FDG-PETを補助的に使用することが望ましい。

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© 2016 日本頭頸部癌学会
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