頭頸部腫瘍
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チーム・アプローチによる前頭蓋底の手術
森 一功平野 実佐藤 公則田井 良明清川 兼輔重森 稔徳富 孝志早渕 尚文
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1994 年 20 巻 3 号 p. 506-510

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抄録

チーム・アプローチによる前頭蓋手術を紹介し, 症例を呈示した。本手術を行なった13例中5例で再発を認め, 3例は原病死したが, 2例は二次治療で根治した。8例では再発を認めず, 全部で10例が非担癌生存中である。3年生存率は全症例で69%, 悪性腫瘍11例では66%であった。
チーム・アプローチの特徴として, 我々耳鼻咽喉科医が腫瘍の根治切除に専念できること, 手術が円滑にすすみ, 良好な結果が得られること, 最善の術後治療ができることが挙げられる。ただ, チーム・アプローチの総合的な結果は, チーム内の一番レベルの低い専門家のレベルに落ちつく, ということをよく認識しておく必要がある。

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© 日本頭頸部癌学会
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