頭頸部腫瘍
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われわれの行っている頭頸部腫瘍術後患者の嚥下障害に対する機能訓練
嚥下機能の経時的変化と患者の主観評価について
高橋 浩二宇山 理紗山崎 善純平野 薫山下 夕香里中村 篤道 健一佐野 司川端 一嘉吉本 世一三谷 浩樹保喜 克文苦瓜 知彦鎌田 信悦
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1999 年 25 巻 1 号 p. 123-129

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抄録

われわれが行っている頭頸部腫瘍術後患者に対する嚥下機能訓練法を紹介するとともに飲み込み検査で評価した訓練中の嚥下機能の経時的変化とアンケートを用いて調査した嚥下機能に対する患者の主観評価について報告する。対象は透視検査で嚥下障害が確認された頭頸部腫瘍術後患者24名で, 飲み込み検査では水30ml, プリン5g, および粥5gを飲み切るまでの時間を計測した。機能訓練の効果と嚥下機能に対する満足度についてはアンケート表を用いて患者の主観評価を調査した。
機能訓練期間平均13日間で, 飲み込み時間は水では30.7秒から8.5秒, プリンでは32.8秒から9.4秒, 粥では33.3秒から11.4秒と顕著に短縮した。
機能訓練の効果については15名中13名が「非常に効果があった」と回答し, 訓練後の嚥下機能に対する満足度については15名中10名が70%以上の高い満足度を示した。
以上の結果はわれわれが行っている嚥下機能訓練法の有効性を反映し, これらの方法が患者のQOLの向上にも十分役立つことを裏付けたものと考えられた。

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© 日本頭頸部癌学会
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