頭頸部腫瘍
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III, IV期頭頸部癌に対する化学放射線療法の役割
立川 拓也岩井 大辻 裕之南野 雅之山本 高士湯川 尚哉井上 俊哉山下 敏夫
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2002 年 28 巻 1 号 p. 237-242

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抄録
III, IV期頭頸部扁平上皮癌症例31例に対して, 5FU先行FC療法に放射線治療を併用する化学放射線療法 (chemoradio therapy, 以下CRT) を施行した。CRTを施行した全症例の奏効率は88.9%, CR率は33.3%であった。CR率は低かったが, CRTでCRの得られた症例の臨床経過は良好であった。一方PRの得られた症例に関してはCRTと手術を併用することで良好な臨床経過が得られるものと考えられた。手術を併用することで無病生存率は61.3%, 再発率は17.4%であった。
CR症例に対しては手術を回避する方向で, PR症例に対しては手術との併用が必要と考えられた。これが局所制御率, ひいては生存率の向上させるものと考えている。
有害事象は口内炎, 血液毒性, 皮膚炎であったが, いずれの症例も特別の処置は必要せずに軽快した。
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© 日本頭頸部癌学会
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