日本健康開発雑誌
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原著論文
通所リハビリテーション利用高齢者の趣味に関する実態調査
吉本 和樹清水 昌美井内 律子兎澤 惠子
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2020 年 41 巻 p. 23-32

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抄録

背景・目的 認知症予防は高齢者にとって関心が高く、認知症予防の目的で趣味を持つようにしている高齢者も多くいるのではないだろうか。今回、通所リハビリテーション(デイケア)に通う要介護高齢者の趣味の実態とその関連要因について明らかにすることを目的に研究を行った。

方法 近畿地方の同一府県内に立地する4か所の介護老人保健施設に併設されたデイケアに通う高齢者408人に対し研究協力の依頼を行った。そして協力が得られた高齢者に質問票について回答をしてもらった。分析方法として各変数については単変量解析、趣味の有無と各変数との関連についてはχ2検定を行った。

結果 研究協力が得られた要介護高齢者106人に対する質問票を集計し解析した結果、趣味がある人は趣味がない人よりも運動習慣がある人の割合が高かった。また、運動習慣がある人のうち、教育歴が長い人及び独居の人ほど趣味がある人の割合が高かった。一方、運動習慣がない人については、同居者がいる人ほど趣味がある人の割合が高かった。

考察 本研究によりデイケアに通う要介護高齢者に関して、趣味があることと運動習慣があることの間に関連があることが明らかになった。要介護高齢者に対して趣味の継続支援をすることが身体機能維持につながる可能性についての示唆が得られたのではないかと考える。

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