日本健康開発雑誌
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原著論文
従業員食堂での機能性食品の摂取と健康診断測定値との関連:摂取状況と週当たりの頻度による補足解析
白井 禎朗佐久間 理英中村 美詠子
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2023 年 44 巻 p. 13-20

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抄録

背景・目的 従業員食堂に導入された機能性食品について、労働者の自由意思による摂取状況を客観的に観察して、その1週間当たりの摂取頻度分布および健康診断測定値と摂取頻度との関連を評価した。

方法 対象者は先行研究で選出された男性労働者890人とした。食品摂取はICチップ付き食器を用いた電子精算システムにより客観的に評価をして、機能性食品が導入された2019年7月から2020年9月までの1週間あたりの摂取回数を算出した。機能性食品の導入前後の健康診断測定値の変化量を従属変数、健康診断の前12週間における1週間当たりの摂取頻度を独立変数にして、重回帰分析で関連を推定した。

結果 健康診断の前12週間の摂取頻度分布は、大豆製品では、週0回は21.3%、週1回以上は43.8%、週2回以上は15.4%であった。大麦ごはんでは、週0回は74.2%、週1回以上は4.9%、週2回以上は2.0%だった。週0回を基準に、大豆製品では週1~2回未満(β: -7.16, p =0.030)、週2~3回未満(β: -9.50, p =0.016)、週3~4回未満(β: -12.23, p =0.046)の摂取頻度にLDL-コレステロールとの負の関連があった。大麦ごはんでは、週2~3回未満の摂取頻度に収縮期血圧との負の関連があった(β: -9.14, p =0.025)。

考察 機能性食品導入後の従業員食堂において、男性労働者がそれらの食品を自発的に摂取した場合、大豆製品では週1回以上の摂取でLDL-コレステロールの改善、大麦ごはんでは週2回以上の摂取で収縮期血圧の改善が期待できる。

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