日本健康開発雑誌
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入浴時における湯温度、水位、年齢、性別が体温変化に及ぼす影響 体温推定式の試み
石澤 太市伊藤 要子中西 信之松本 圭史綱川 光男
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キーワード: 入浴, 体温, 補正係数, 体温予測
ジャーナル フリー 早期公開

論文ID: 202445G02

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抄録

目的 本研究の目的は、一定条件下での入浴において湯温度、水位、年齢、性別が体温変化に及ぼす影響について検討することである。

方法 入浴時の湯温度および水位の検討として、健常者男女13名を対象に試験を行った。室温25.0℃、湿度50.0%RH 環境下で馴化した後、浴室温度25.0℃の環境下で湯温度が40℃と42℃のさら湯に、水位が腋窩までと肩が隠れるまでの2種類の条件で15分間の入浴を行った。湯温度と水位の4条件の組み合わせで入浴中の体温を測定した。また、対象者の年代および性別の検討として、20~69歳までの健常者男女58名を対象に試験を行った。室温25.0℃、湿度50.0%RH 環境下で馴化した後、浴室温度25.0℃の環境下で湯温度が40℃のさら湯に肩が隠れるまでの水位で15分間の入浴を行い、入浴中の体温を測定した。

結果・考察 全ての試験において、入浴時の体温は入浴時間に比例して上昇した。また、入浴時の湯温度、水位、年代、性別は、何れも体温変化に影響を及ぼす因子であった。そこで、一定条件で入浴した際の体温変化を予測する推定式を作製した。推定式の妥当性については、健常者35名を対象とした入浴時の体温測定結果を用いて検証し、実測値と高い相関を示すことを確認した。体温変化の推定式は、入浴実験等の体温予測や入浴時の体温測定ができない場合に活用することができる。なお、入浴時の体温上昇は、被験者の体調および体質や身体組成、季節による温度および湿度等の外部環境や浴室環境、湯の含有成分等の水質により異なるため、これらの影響については今後検討が必要である。

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