1.北海道米,宮城米,新潟米及び高知米6品種の精白米について,その脂質組成をケイ酸薄層クロマトグラフィーで比較検討を行なった。2.中性脂質でぱ,抽出溶媒のちがいによる品種間の差異は殆んど認められず,各品種に共通して多く含まれているものは,トリグリセリド,ステリン及びステリンエステルなどであり,少ないものは,遊離脂肪酸,ジグリセリド及びモノグリセリドなどであった。3.極性脂質では,各品種に共通して含まれているものでは,ホスファチジルコリン,ホスファチジルエタノールアミン及びホスファチジルイノシットなどのリン脂質と,エステル型ステリン配糖体,モノガラクトシルジグリセリド及びジガラクトシルジグリセリドなどの糖脂質であった。北海道米は,これらの複合脂質を比較的多く含む傾向がみられた。