魚類学雑誌
Online ISSN : 1884-7374
Print ISSN : 0021-5090
ISSN-L : 0021-5090
ウグイの椎体の成長について
駒田 格知
著者情報
ジャーナル フリー

1980 年 26 巻 4 号 p. 351-356

詳細
抄録

最近, 天然, 養殖の区別なく, 脊椎骨に異常のみられるいわゆる変形魚が多数見出され, その発現率, 変形の類型等についての報告がなされている (Dahlberg, 1970; Dawson, 1964, 1966, 1971; Dawson and Heal, 1976; MooreandHixon, 1977;松里, 1978;Komada, inpress).ウグイTribolodon hakonesis Guntherに関しても例外ではない (池田, 1936;今田・吉住, 1973;駒田, 1978).しかし, これら変形魚につき出現場所別, 時期別の発現状況および症状などを魚種間または同一魚種内で比較検討する際の基準とすべきデータはほとんどない.
本研究は河床付着性餌料を食し, 半底性の生活を行うといわれる (水野ら, 1958;中村, 1969) ウグイに関して, その脊椎の形態異常発現の時期を明らかにするに先だち, 正常個体の脊椎骨の成長を明らかにする目的で, 成長段階別および雌雄別に椎体の長さと直径を測定し, 成長のようすを検討したものである.

著者関連情報
© 日本魚類学会
前の記事 次の記事
feedback
Top