魚類学雑誌
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ハマギギ科の一種 Arius felis の染色体
William Hunt Legrande
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1980 年 27 巻 1 号 p. 82-84

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抄録
アメリカ合衆国, ルイジアナ州, Caminada湾で採集された4尾のArius felisの染色体を観察した.実験方法としては, Velban注入後2.5~3.5時間にじん臓およびひ臓を摘出し, airdrying法でプレパラートを作製した。
Arius felisの核型は, 2n=54で26本の中部。次中部着糸染色体と28本の端部・次端部着糸染色体とからなる。
一方, Ariusハマギギ属はDNA量が多く, ギギ科やIctaluridaeのそれに比べて2倍以上ある.しかしながら, 2nは上記2科の魚と比べてほとんど変わらない.このことは, ナマズ類の進化を考える場合, 染色体の倍教化では説明できないDNA量増大のメカニズムの可能性を示唆すると考える。
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© 日本魚類学会
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